とある字書きがジャンル破壊していなくなった話
これは、とある文字書きがパクられ騒動を起こしてジャンルを破壊し、いなくなった話です。
ここだけでジャンル特定出来た人いるかも知れんけど、ほんのりフェイク交えつつ書いていく。よくある同人女の無駄に長い独り言だから、嫌な人は頼むからブラウザバックして下さい。
彼女はTwitterのフォロワ数四桁の、小説ジャンルとしては大手と呼ばれる字書きだった。沢山作品を書いていたし、企画にも積極的でアンソロもよく出していた。
その彼女がある日にTwitterで呟いた。
「作品をパクられた!」
えらいこっちゃと思った。
慌てて読みに行って一言もの申してやろうと意気込んだ。(というのも、私自身が文字書きの端くれなので、パクりとか絶対許せんと息巻いたのだ)
ところが、読み比べてみて首をひねる羽目になった。
確かに似てる。
でも「セックスしないと出られない部屋ってネタで書いたらどうしても似る部分もあるよね」という範疇だった。
というか、設定以外は似てなかった。
それ以前に彼女の話がn番煎じなネタだった。
さらに驚いたのは、彼女のTwitterでの発言だった。
「私みたいなフォロワーの多い作家がこういう事を言う影響力はよく分かってる。それでも許せないものは許せない」
「あの作家と繋がってる人はブロックします。ブロックされたくない人は彼女のフォロー外して下さい」
正直ちょっと怖かった。
何か意見しようものなら、「あいつもブロックして下さい」と言われるんじゃないかとビクビクした。
結局、本人同士が話し合いをして、無事解決したと公表されたので安心した。
このころから、ジャンルのムードが暗くなった。
まず、パクり認定されたネタを書く人が激減した。
そりゃそうだ。同じネタで書いただけで、大声で晒されるなんて怖すぎる。
大手作家とネタ被りしたら、晒されるんじゃないか。
そんな空気だった。
それから半年後、事件が再燃する。
「あのパクり作家がアンソロジー出します。情報が私のTLに流れてきて鬱になりました」
「アンソロジー参加者とは縁を切ります」
その界隈では有名な作家だったので、皆、「またか~」と思っていたのだろう。
中には「絶対買いません!」「参加者ブロックします!」と言うファンもいた。
私はかなり引いた。
事件は続く。
「あのパクり作家が新刊出します!」
「表紙イラスト書いてる絵師様好きだったのに、もうイラスト見るだけで鬱になりそうなので見れません」
こんな調子で、新刊を出すたびに大騒ぎを繰り返すようになった。
ここでもう一度言っておくと、彼女はジャンル内では大手だ。
同ジャンルにいれば彼女のツイートは目に入ってしまう。
最初の事件からおおよそ一年、この調子のツイートが定期的に流れてくるジャンルの作家たちがどんな気持ちで過ごしていたか想像して欲しい。
自分の作品は大丈夫だろうか。
いつ攻撃が自分に向くか分からない。
私は怖くて書けなくなった。
事件以前に投稿していた他の字書きもぱたっと投稿をやめてしまったのは、同じ理由の人も多いんじゃないだろうか。
それと字書き、絵師問わず、マシュマロを閉じる人が多かった。この理由は後になって分かった。
同人は愛というけれど、あまりにも外野の声が大きいと、その愛を表に出すのが怖くなってしまう。愛があるからこそ、一生懸命書いた作品を攻撃されるのが怖い。
小説の投稿数が減っていくのを見ながら、私は何も出来なかった。
結局どうなったのか。
Twitterのフォロワ数五桁の作家がお気持ち表明をしたことで、彼女は逃げていった。
自身の四桁フォロワ数にものを言わせた作家が、さらにフォロワ数の多い作家の苦言で退散していった。
お気持ち表明の内容はこうだった。
「パクリ騒動に関しては本人同士の問題なので関わる気はない。ただ、周囲を煽って問題を飛び火させるのはやめて欲しい」
「あなたがツイートするたびに、フォローしているだけで毒マロが飛んでくる」
ここで色んな絵師や自書きがマシュマロを閉じた理由が分かった。
「パクり作家のフォローを切らない奴は豚以下」
「パクり作家と会話するならお前の同人誌も買わない」
「パクり作家と繋がっているのであなたの同人誌破って捨てました」
そんなメッセージが何度も送りつけられてきたらしい。
このお気持ち表明で、彼女の所業は別ジャンルにまで知られ、あちこちから非難を浴びることになった。
こうして、彼女はいなくなった。
けれど、一年間にわたるこの騒動で、すっかりジャンルのムードは盛り下がってしまっていた。
私はとても悔しい。
何もしなかったし、何も出来なかったけど、大好きだったジャンルが破壊されてしまったことが悲しい。
今でも新作を投稿している作家もいる。それでも一年前とはまるで違う。
コロナや新ジャンルへの移行もあるけど、事件がなければもう少し活気が残っていたと思う。
誰かがもっと強くいさめていればよかったのか。
どうすれば回避できたのか分からない。
私の前にあるのは、過疎へ向かっている推しジャンルの悲しい現状だけなのだ。